今日面会に行ったら、しれっと部屋が変えられていました。
今までは男女混合の部屋だったのですが(いいのかね)、
今度は女性オンリーの部屋に移してくれたみたいです。
今日の夕方、おかんの幼馴染のおばさんが
面会に来てくれました。
幼少時代から家も近く、高校までずっと一緒だったそうです。
そしておとんの友人と結婚したこともあって、
私がかなり小さい頃から互いの家を行き来して、仲の良いおばさんでした。
おかんは電話番号を暗記してたようで、携帯にも登録しておらず、
ずっと連絡する事が出来ないままでいたのですが、
この間面会に来た親戚の伯母を通して今回のことを知ったそうです。
古くからの友人の変わり果てた姿に、
涙を止めることは出来なかったようでした。
私が声をかけるとすぐ目を開け、おばさんの顔をじっと見ていました。
普段ならすぐ閉じてしまうのですが、
今日はかなり長い間、ずっと目を開けておばさんを見ていました。
手に巻かれた抑制帯をほどき、手を握ってやってもらいました。
おばさんが手を握り締めると、力強く握り返したようでした。
「すごい・・・すごく強く握ってるね。ちゃんと動くんだねえ」
「○○ちゃん(おかんの名前)、絶対元気になってね、絶対やけね」
と、おばさんが涙ながらに話しかけると、
発症してから初めて、声とも言えない小さなうめき声のような、
小さな小さな声を上げました。おばさんの目をきちんと見て。まっすぐに見据えて。
声が・・・出た?何か言いたそうだった。
何が言いたかったんだろう。何だったのかはわからないけど、
意識がまだちゃんと戻ってないかもしれないけど、
あの瞬間だけは、きっとおばさんを見て理解して、何かを伝えたかったんだろう。
あの瞬間だけは、意識が戻っていたんだと信じたい。
家族にはわからない、小さい頃から心を通わせる友として、
おばさんにしかわからない何か強い絆が、
おかんの意識を呼び戻したのかもしれない。
それ以後、この日は再度声を出す事はありませんでしたが、
たくさんの人が面会に来てくれるたびに、
おかんの脳細胞が少しずつ刺激されて、いい方向に向かっている気がします。
たくさんの人から少しずつ元気を分けてもらいながら、
これから少しずつでいいから、元気になっていってほしいと思います。