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生きる力って素晴らしい。
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この日記について。

初めまして。
「おかん」の娘ayakoです。

この日記では
おかんの闘病記について
詳しく書き綴っていきます。


母は2008年1月11日、
突然倒れました。

原因は昔からの持病、
心房細動による
心原性脳梗塞でした。

左中大脳動脈、
左前大脳動脈の
2本の血管の梗塞により、
左脳の4分の3が壊死。

外減圧、内減圧の2度の
手術の末、
命を取り留めました。

一時は「尊厳死」として、
安らかに眠らせてやる
道も考えましたが
結果的にその道は
選べませんでした。

今は無意識のうちに、
恐ろしい病と闘っています。

こんなに苦しめてまで
生かす道でよかったのか。
体に一切メスを入れずに
眠らせてやった方が
よかったんじゃないか。

ただ生きているだけの
今の母の姿を見て
未だに何度も考えます。

ですが、
もう一度笑顔が見たい、
美味しい物を
もっと食べさせたい、
約束していた旅行にも
連れてってやりたい、
そして何より
まだ親孝行してない・・・

これは、
元気に生きている私達の
エゴなのかもしれない。

本当は
苦しくて辛くて悲しくて
仕方ないのかもしれない。

でも、元気になった時には
あの時頑張ってよかったと
思えるようにしてやりたい。

そんな家族の想いが
一つになって選んだ道。

「尊厳生」

今は何も答えない母に
生きようとする力が
きっと残されている事を
信じています。






検索
幼馴染の力。
今日面会に行ったら、しれっと部屋が変えられていました。

今までは男女混合の部屋だったのですが(いいのかね)、
今度は女性オンリーの部屋に移してくれたみたいです。


今日の夕方、おかんの幼馴染のおばさんが
面会に来てくれました。





幼少時代から家も近く、高校までずっと一緒だったそうです。
そしておとんの友人と結婚したこともあって、
私がかなり小さい頃から互いの家を行き来して、仲の良いおばさんでした。

おかんは電話番号を暗記してたようで、携帯にも登録しておらず、
ずっと連絡する事が出来ないままでいたのですが、
この間面会に来た親戚の伯母を通して今回のことを知ったそうです。


古くからの友人の変わり果てた姿に、
涙を止めることは出来なかったようでした。


私が声をかけるとすぐ目を開け、おばさんの顔をじっと見ていました。
普段ならすぐ閉じてしまうのですが、
今日はかなり長い間、ずっと目を開けておばさんを見ていました。

手に巻かれた抑制帯をほどき、手を握ってやってもらいました。

おばさんが手を握り締めると、力強く握り返したようでした。
「すごい・・・すごく強く握ってるね。ちゃんと動くんだねえ」

「○○ちゃん(おかんの名前)、絶対元気になってね、絶対やけね」
と、おばさんが涙ながらに話しかけると、
発症してから初めて、声とも言えない小さなうめき声のような、
小さな小さな声を上げました。おばさんの目をきちんと見て。まっすぐに見据えて。

声が・・・出た?何か言いたそうだった。

何が言いたかったんだろう。何だったのかはわからないけど、
意識がまだちゃんと戻ってないかもしれないけど、
あの瞬間だけは、きっとおばさんを見て理解して、何かを伝えたかったんだろう。

あの瞬間だけは、意識が戻っていたんだと信じたい。

家族にはわからない、小さい頃から心を通わせる友として、
おばさんにしかわからない何か強い絆が、
おかんの意識を呼び戻したのかもしれない。


それ以後、この日は再度声を出す事はありませんでしたが、
たくさんの人が面会に来てくれるたびに、
おかんの脳細胞が少しずつ刺激されて、いい方向に向かっている気がします。

たくさんの人から少しずつ元気を分けてもらいながら、
これから少しずつでいいから、元気になっていってほしいと思います。
by kyushu-boy | 2008-02-24 00:00 | 発症1ヶ月


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